ラブホテルのことがすべてわかります
ラブホバイブル〜ラブホテルのことがすべてわかります

最近のラブホテル料金の傾向
ラブホテル間の競走は激化の一途を辿っている。売上の減少がそれに追い打ちをかけ、近年は料金体系にもさまざまな影響を与え始めている。
ここでは、近年しばし見られる傾向や新しい料金システムについて簡単に触れておこう。

◆基本時間の長時間化

従来はラブホテルの休憩の基本時間は1時間というのがほとんどであった。しかし次第に基本時間は延び、地方や一部の地域を除いてはほとんどが3時間となった。そして最近では更に4時間、5時間といったところまで出てきいている。
こうした傾向はラブホテルでゆっくりと過ごしたいという若者層には歓迎されたものの、”短時間で、しかも安く”という年配層には敬遠されることになる。
例えば、3時間5,000円の場合と1時間3,000円の場合を比較してみると、確かに1時間当たりの料金は前者は後者の半分近くで済む。しかし前者においては仮に1時間の利用でも5,000円払わなければならないが、後者では3,000円でよい。短時間でよいという客には逆に料金は高くついてしまう。
又、基本時間の長時間化は、ラブホテルサイドにおいても客室の回転が悪くなり、いくら客室が埋まっても、蓋を開けてみたら売上は逆に減っていたという事態を招いている。
そうしたことを踏まえて、例えば、基本時間は3時間○○○○円としながらも、例えば、90分以内の利用であればそれより更に割引といったショートステイ制度を導入するのが一般的になりつつある。

◆24時間休憩制度(深夜休憩)の導入

休憩が24時間OKという制度である。何時にチェックアウトしようが常に休憩料金が優先適用される。これによりお客は宿泊切替時間を気にすることなく休憩をすることができる。現代人の行動が多様化し、昼と夜の境目が薄くなり始めた現代、深夜であっても休憩をしたいという客の需要は非常に多い。
又、従来のような宿泊切替時間を過ぎると大幅に料金が高くなるという計算方法は理解しづらく、客とラブホテル側でのトラブルの原因ともなっている。加えて、少しでも他と差別化を図りたいという思惑も絡み、一部のラブホテルで導入が始まりつつある。
なお、24時間制度休憩といった場合には、宿泊時間帯であっても一定時間内に利用(例えば、3時間とかいった時間内)にのみ休憩料金を適用し、それを超えた場合には通常の宿泊計算をするというものと、「休憩料金+延長料金」と宿泊料金を比較し、その安い方を適用してくれるという2つのものがあることには注意が必要である。
この24時間休憩の運用例としてよく見受けられるのが、”3時間以内の利用であれば、24時間休憩可”というものである。この場合だと、ラブホテルの客は3時間未満であれば、もうチェックインやチェックアウトの時間帯を気にすることなくいつでも休憩として休憩料金を支払うだけで済むことになる。従来のように、休憩か宿泊かといったわずらわしい判断に悩むこともなく、とてもシンプルで親切な仕組みと言えよう。
但し、この24時間休憩可というラブホテルを利用する場合、やや注意しなければならないことがある。それは休憩が適用される曜日についてである。
例えば、「3時間以内であれば24時間休憩可」のラブホテルで金曜日の夜の23時から土曜日の午前2時まで利用したとしよう。この場合は金曜日の休憩料金となるのか、土曜日の休憩料金となるのだろうか?
料金システムをどのように決めるのか各ラブホテルの自由であり、さまざまなパターンが考えられるが、ラブホテルのコンピューターシステムの業界大手であるアルメックス製のものでは、休憩開始時間までは前日のものが適用されるというのを標準パターンとしている。
通常、休憩開始時間は朝の6時や7時に設定されているであろうから、ここの例では金曜日の休憩料金が適用されることになる。金曜日は平日の休憩料金でよいから、この場合はかなりお得だ。例えば、休憩開始時間が7時だとすると、土曜日の朝の6時にチェックインしても3時間以内であれば金曜日の休日料金でよいことになる。実質、土曜日の利用でありながら金曜の料金が適用されるので、料金はかなりお安く済むであろう。
一方で、月曜日の朝6時から3時間以内の休憩をした場合は、月曜日の朝でありながら、日曜日の休憩扱いとなり、料金は高くなってしまうことには注意が必要である。

◆フリータイム制度の充実

最近では土日・祝日もフリータイムを実施するところが増えてきた。いわゆる365日フリータイムを唄うラブホテルが増えてきたのである。しかも当初は、平日は2部制でも土曜・日曜・祝日は1部制というスタイルが多かったが、現在では土曜・日曜・祝日でも2部制が当たり前になりつつある
土曜・日曜・祝日にしかラブホテルに行けなかったというカップルには朗報といえる。

◆時間保証制度

フリータイム制度というものは、入室時間によってその効果に大きな変動がある上に、実際にはフリータイム時間帯でありながらその恩恵が受けられない空白時間帯が存在し、得にならないことも多い。
こうしたデメリットを何とか解消しようとさまざまな工夫が試みられつつある。
その一つとして、フリータイムの時間帯をより長く設定したり、料金をより安くしてフリータイムの空白時間帯をできるだけ縮めようという動きが挙げられる。その結果、基本料金とフリータイムの料金がきわめて接近、基本時間を過ぎるとそのまま延長料金が加算される前にフリータイムに移行という例も多いし、平日はフリータイムの料金に統一してしまうところも出てきている。

ただ、こうした試みは更なる料金全体の低下を招いてしまう。そこで考えられたのが、フリータイムの時間帯をより小刻みに多く設定することにより、料金はそのままで、それでいてできるだけ多くの時間帯でフリータイムの効果を維持しようというものである。いわゆるフリータイムの3部制、4部制といった動きがこれである。
更に1歩進んで、”時間保証”という概念をフリータイムに取り入れるラブホテルも出てきた。これは従来の”○時〜○時まで”といった時間帯を設定するやり方ではなく、”○時〜○時までのチェックインは○時間滞在OK”といった具合に、チェックインした時間帯に応じて一定のフリータイム時間を保証するものである。これはいわゆる休憩における基本時間の概念と同じようなものであり、基本時間の2部化とも言える。
これにより、時間帯に応じて保証される時間は異なることはあるが、どの時間帯でも安心して一定時間のフリータイムの適用を受けることができる。

◆延長時間の細分化

延長時間はラブホテルでは30分単位が多いが、これはよくよく考えると5分のオーバーでも30分の料金をとるということであり、あまりにもラブホテル側に有利で客には不利なシステムである。
そこで最近では、延長時間を10分単位としたり15分単位としたりするラブホテルも増えてきた。これにより料金の上がり方のカーブが従来よりなだらかになるとともに、余分な延長料金を客が払わずに済むことになる。
私のところのラブホテルでも当初は延長料金を30分900円であったのであるが、以上のような利便性を考慮して10分300円に途中から切り替えた。しかしその途端、「15分単位だなんて、ゆっくりできない」「短時間ごとに料金があがって損だ」というクレームが非常に多く寄せられたことにはやや困惑してしまった。
単位当たりの料金を値上げしたのであるならば話は別であるが、時間換算で料金が変わらない(10分300円ということは30分の延長は従来通り900円の延長料金となる)のだから、細分化した分、どちらかというと料金は値下げということになるのであるが、客は”10分置きに延長料金をとられるなんて”と割高と考えてしまうらしい。延長時間の細分化は決して値上げではない。ここは勘違いしないで欲しいと思う。

◆宿泊タイムの充実

宿泊タイムのチェックインは22時(平日)、23時(休日前)というのが一般的なパターンであった。
しかし昨今は、宿泊のチェックインは平日21時、休日前22時というところが増えてきたし、更にそれよりも早い時間に前倒しして設定しているところもある。
宿泊のチェックアウトに関しても、11時、12時は当たり前、場合によっては13時、14時というところもが出てきている。
又、フリータイムと同様、チェックインの時間により宿泊できる時間帯が変動するという欠点を補うために、宿泊タイムの2部制が普及している。
これは例えば、宿泊タイムが22時〜翌10時のところ、深夜26時以降にチェックインした場合には12時まで滞在OKとするものである。更に、宿泊タイムの3部制、4部制といったものを取り入れたり、フリータイムのところで説明したような時間保証の概念を取り入れるところも出てきている。すなわち、チェックインの時間から8時間は宿泊タイムを保証するといった具合にである。こうなってくると、もはや宿泊というよりもどちらかというと深夜のフリータイムといった感が強い。

(今後の料金システムのあり方について)

従来のラブホテルの料金は、まさに押し付け型の料金システムであったと言える。高額な料金設定は言うに及ばず、深夜から早朝の利用はすべて宿泊行為と決めつけたりとまさに横暴とも言える態度であったと思う。その結果、顧客は訳もわからず高い料金を支払わされ、ラブホテルはほくほく顔で高収益を上げてきた。
だがバブルが弾け、ラブホテル間の競争が進んだ結果、少しずつ反省をし、柔軟に客の行動に自分達の料金体系を合わせようというのが昨今の動きであるといっていい。
しかし結果としては、従来の休憩と宿泊の二本柱の料金システムを維持したまま積み木のように改良を加え続けたため、年金制度ほどではないにしても、非常にわかりづらい仕組みになってしまった。今やラブホテルのスタッフすらコンピューター任せでよく理解できないといった事態を招いている。
ラブホテルは今一度、従来のシステムをゼロベースで見直し、よりわかりやすくより納得性の高い料金システムを構築し直す時期に来ているように思える。
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